一日一編の法話 動画など
人間は誰でも自分を愛し大切にします。
他人も自分も命の根源は一つであり、同じ方向に立って一つのものを見つめると、他人の喜びや痛みが自分のことのように感じられます。
風呂の湯を手で向こうへ押しやればこちらに返ってくるように、こちらにかき寄せれば向こうへ行ってしまうように、人に尽くし与えゆずる、
この行為が自分の喜びを深くします。
共存共栄は人の世の法則です。
相手の人から受けた親切などに対して、感謝の意を挨拶語に「お蔭様」があります。
おかげとは、神仏が力を加えて人間を護る、神仏の助けです。
また、おかげをもらって九死に一生を得たなどというように、おかげは感謝から生まれる人の喜ぶ心です。
「普天同慶(ふてんどうけい) 日月増輝(じつげきぞうき)
天下の人々が喜びあっていると、日と月はますます輝きを増して皆を照らすように、天は大きな幸いを授けてくれるのです。
笑顔で感謝したいものです。
仏教が大衆仏教としてさまざまな分野で影響を与えるようにのは、平安時代後期から鎌倉時代初期、この時代に三つの流れとして創立されたのが
「浄土と禅と日蓮」これらの修業を一つの行いに絞ったのが浄土教の「念仏」、禅の「座禅」、日蓮の「唱題」でした。
大衆仏教はこれ等の実践によって急速に庶民に浸透して現在に至っています。
日蓮聖人の主張された「唱題」は、法華経に帰依し御題目を唱えれば先祖は子孫の供養によって成仏できるというのです。
一切の物事は因縁や縁が寄り集まって成立している「因縁生起」でこれが仏教の根本思想です。
人間には前世・現世・来世の三世があります。
特に前世の善悪の業によって不幸な状態、不遇な巡り合わせで現世で苦しむ人、反対に幸せな人…。
人力で葉どうすることもできないい三世にわたる因果を仏教は説きます。
川に水がなかったら魚は住むべきところなく、山に樹木がなかったら、飛ぶ鳥の休むところなく、人もよるべき父母がなかったら生きるすべもなく…。
たった一度しかない人生を平穏に過ごすには沢山の恩恵を知り、よい人間関係を持つこと。そのためには身と口を律する現世の修業をせねばなりません。