一日一編の法話 動画など
昔話桃太郎の故郷を任ずる岡山県で、退治された鬼の側から考える学校の授業があると去る日に新聞記事が伝えていました。
退治される鬼に、もし子供がいたら桃太郎は鬼退治しただろうか・・・?
相手の側にたって見たとき、桃太郎は正義でも鬼から見れば見える風景はがらりと変わるのです。
兎と亀の昔話にしても、亀はなぜ居眠りしている兎を起こしてやらなかったのか、などの意見もあり、物事の複雑さが分かります。
身近な人との関係も視点を変えてみることを忘れてはいめません。
桃から生まれた桃太郎が犬、猿、雉を連れて鬼退治をする忠、考、勇武を謳歌する昔話があります。
陰陽道では鬼が出入りする門を「鬼門」といって忌み嫌い、中国では鬼は死者を意味します。「鬼籍(きせき)に入る」とはこのことです。
鬼ヶ島の鬼は十二支では鬼門にあたる丑寅(艮うしとら)の住人で桃太郎はその反対に位置する、めでたい方角戌(犬)、申(猿)、酉(雉)を連れて鬼退治をしたという話です。
桃には邪気を払う霊力があり死を祓い清める意があるといわれます。
子供に聞かせる面白い昔話の真相です。
相対応する語から成る陰陽(おんみょう)思想は、古く奈良時代に遣唐使によって持ち帰られた唐風文化です。
自然の観測の中から生まれた「陰陽」は「日、春、南、昼、男」などは陽。 「月、秋、北、女」などは陰として日常生活の規律、作法、配慮などに取り入れられています。
独りを慎むという言葉がありますが、人は誰も見ていないところでの自分自身の行い「陰」あ大事です。
「考は万善のもと」といって孝行こと徳行のもと、人の踏み行うべき道です。
親によろこんでもらうため、人は行いを慎み過ちを正して、老い先の短い親に心配をかけないようにします。これが何よりの孝行です。
「親孝行と火の用心は灰にならぬ前に」
灰になってからでは遅すぎます。考の徳行を積みましょう。
人は精神的、肉体的な刺激に堪えられなくなると声を出して泣き涙します。
「涙」は「氵」さんずいに「戻る」と書きますが、悲しい時涙を流すことによってもとの落ち着いた心に戻れるというのです。
「泣」は「氵」に「立つ」、泣くことによって悲しみから立ち上がることができるのです。
人間には、「喜怒哀楽」のさまざまな感情があり、悲しい時には素直に泣いて涙を流して、落ち着いたもとの心に戻れるように努めねばなりません。